2008年05月12日

呪われし探索

前回紹介した「THE MUMMY PLAYSET」を含む
「TODD MACFARLANE'S MONSTERS」は
結局2シリーズで終了してしまいましたが、
4年後、マクファーレントイズはまた別な形で
ユニバーサルモンスター達を立体化します。
それが今回紹介する「MUMMY」を含む
「MACFARLANE'S MONSTERS」です。

前回のシリーズと名前が似ていて少しややこしいですが
こちらはおとぎ話や実在の人物までもモチーフにして、
シリーズ4まで発売されました。


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MACFARLANE'S MONSTERS SERIES1
THE MUMMY
(MACFARLANE TOYS/2002)


このシリーズはドラキュラや狼男、
シークリーチャーなど
定番のユニバーサルモンスターズを
マクファーレンらしいアレンジを加え、
より凶悪に、よりブラッディに
立体化したものです。

マミーに関しては当時は
1ケースに1体しか入っていない、
いわゆる「ワンパー」アイテムでしたが、
2006年にドラキュラ、フランケンシュタインの怪物とともに
「ICONS OF HORROR」というボックスセットで
再販されました。

フィギュアの紹介を読む


ミイラが「恐ろしいもの」として一般的に認知される切っ掛けとなったのは
やはり「ツタンカーメンの呪い」だろう。

1922年考古学者ハワード・カーターによって
トゥト-アンク-アメン(TuT-aNKH-aMeN)いう名の
ファラオの墓が発掘される。

現在では「ツタンカーメン」という読み方で知られるこのファラオは
古代エジプト第18王朝時代の王であったが在位した時にはまだ9才であり、
政治的実権を握っていたのは大神官「アイ」と
将軍「ホルエムエブ」だったと言われている。
トゥト-アンク-アメンは王の座に就くと
先王アクエンアテンが推進した唯一神アテン信仰を改め、
元のアメン・ラー信仰へと戻し、自らの名前も
「TuT-aNKH-aTeN(アトン神の生ける似姿)」から
「TuT-aNKH-aMeN(アメン神の生ける似姿)」と改めている。
(あるいは改めさせられたもしれない…。)
だがその在位はわずか9年で、18才の若さで亡くなっている。
トゥト-アンク-アメンの妻を娶り、王となったアイは
もともとトゥト-アンク-アメンが埋葬されるはずだった
墓所を自らものとし、トゥト-アンク-アメンの遺体を
他の小さい墓に埋葬した。
老年だったアイの在位も短く、その後を継ぎ
第18王朝最後の王となったホルエムエブは
自らをアメンホテプ3世の後継者と位置付け、
アメンホテプ3世以降の3人のファラオ、
アクエンアテン、トゥト-アンク-アメン、アイの名前を
歴代の王の名前を記した「王名表」から消し去ったのである。

それが幸いしてトゥト-アンク-アメンの墓の存在は
その後の時代の盗掘者たちに知られることなく、
埋葬されてからほぼ3300年後にカーターによって発見されたまで
一部の宝石などを除き、2000点にものぼる「黄金のマスク」を初めとする
副葬品は荒らされることなく残されていたのである。

「20世紀最大の発見」とも言われたこのニュースを
いっそうセンセーショナルなものとしたのが「ファラオの呪い」である。

トゥト-アンク-アメンの墓には「偉大なるファラオの墓にふれた者に、
死はその素早き翼をもって飛びかかるであろう」という
碑文が残されており、それを証明するかの如く、
カーターのスポンサーであったカーナボン卿が
発掘の半年後に急死し、その後も発掘に携わった人間の
22人が死亡し、1930年までに生き残っていたのは1人だけになっていた。

…というのだが、このエピソードには裏があった。

この「呪い」の話は当時、1つの新聞社と独占契約をしていた
カーナボン卿に恨みを持っていた他のイギリスのマスコミが
でっち上げた話であり、発掘に直接携わっていた人の多くが
実際には1930年以降も生き続けていた。
だが、事の真偽に関係なく、この話は世界中に広まり、
「呪い」の伝説は21世紀になっても語り続けられる事になってしまった。

そして、この「呪い」のエピソードをベースに
「ミイラ」を「怪奇ものの主人公」として登場させたのが
「魔神ドラキュラ」「フランケンシュタイン」のヒットで
波に乗っていたユニバーサルがボリス・カーロフを起用して制作した
映画「ミイラ再生(The Mummy)」(1932)である。
邪悪な魔法で恋人蘇らせようとし、
生きたままミイラにされた古代エジプトの神官イムホテップが
現代に蘇り、再び恋人を蘇らせようとする話は
ドラキュラやフランケンなどの原作をベースにしたものと違い
映画オリジナルのものでした。

1940年代に入り、ユニバーサルは
王女アナンカのミイラを発掘したベニング一族と
呪われたミイラ「カリス」を操り、
アナンカを取り戻そうとする墓守の因縁を描いた
「ミイラの復活(Mummy's Hand)」(1940)、
「ミイラの墓場(Mummy's Tomb)」(1942)、
「執念のミイラ(Mummy's Ghost)」(1944)、 
「ミイラの呪い(Mummy's Curse)」(1944)という
4本の映画を作り、ミイラ=包帯を巻いた動く死体という
イメージを定着させ、「ミイラ」自体もユニバーサルの
4大モンスターとしての地位を確立する。

1959年にはハマーフィルムにより
40年代版の設定を付け加えて1作目「ミイラ再生」の
カラーリメイク作、「ミイラの幽霊(The Mummy)」が
制作され、ミイラ役をクリストファー・リーが演じた。
その後もハマーフィルムによって
「怪奇ミイラ男(Curse of The Mummy's Tomb)」(1964)
「ミイラの呪い(The Mummy's Shroud)」(1967)
という2本のミイラ映画が作られた。

1999年には1作目「The Mummy」が最新のCG技術を駆使した
アクションアドベンチャーものとしてリメイクされ、
日本でも「ハムナプトラ 失われた砂漠の都」という邦題で公開され
ヒットを飛ばした。
続編「ハムナプトラ2 黄金のピラミッド(The Mummy Returns)」が
2001年に公開、それに合わせてアニメシリーズも放送された。
さらにはスピンオフ作品「スコーピオン・キング(The Scorpion King)」が
2002年に公開され、
最新作「ハムナプトラ3:呪われた皇帝の秘宝
(The Mummy: Tomb of the Dragon Emperor)」が2008年、
「The Scorpion King: Rise of the Akkadian」が
2009年公開予定となっている。
(まぁ、この最新作2作にエジプトのミイラが
登場するかは怪しいとこですが…)

こうして「モンスター」としての「ミイラ」は
その認知度をあげ、その他の映画や小説、コミック、テレビゲームなどでも、
時に忠実に、時にアレンジされた姿で度々登場し
「定番の怪物」として様々なジャンルで定着しているのである。





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今回のマミーは98年のプレイセットの物とは
まったく別のイメージでデザインが再構築されています。


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アヌビス神を象ったマスクは
腰ひれの方までずっと繋がっており、
王権守るコブラ「ワジェト」や
スカラベ、真理の女神「マァト」
「ウジャトの眼」、ヒエログリフなど
エジプトらしいモチーフがちりばめられています。


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両腕には王権の象徴である「鞭」と「牧杖」と接続した
血まみれの「斧」や「刃」を持たせる事が可能。
「鞭」「牧杖」「斧」「刃」それぞれ自由に
連結させる事が出来ます。


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武器はマスクの背中部分に装着する事も
可能になっています。


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マスクを外すと一気に印象が変わり、
いっそう無気味さを増します。


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古代エジプトにおいて脳みそは「鼻水を出す為の器官」と
考えらており、遺体のミイラ化の処理の際には
保存されず捨てられていました。
それに習ったのかこのフィギュアも頭の中は
からっぽになっています。
なにげに顎が可動します。


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実はこのフィギュアは全身25箇所に可動箇所がある
フルポーザブル仕様になっています。
見た目の印象よりもずっと動きます。
腰の包帯部分が干渉して足の付け根当たりの可動が
いまいちですが、腰の包帯の接着部分を慎重にはがし、
多少ずらしてやることで、可動範囲が広がります。


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左足には虫が巣くっていたりと
細かい所まで作り込まれています。


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その他にはベンダブル仕様のコブラが付属しています。


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マクファーレントイらしいアレンジの仕方が
かなり格好良いこのフィギュア、
個人的にかなりお気に入りです。
ミイラのフィギュアとしてはある意味での
頂点ではないかと思っています。

以上「マミー」の紹介でした。

posted by JOSH | Comment(0) | TrackBack(1) | McFARLANE TOYS
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